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譬如水怙牛過窓櫺 頭角四蹄都過了 因甚麼尾巴過不得

嫌いな同期とどうつきあうか:その他いやな上司や先輩、嫌いなやつと向きあうための認知療法

はじめに

私には嫌いな人がいます。「どうしても好きになれない」と思う人がいます。

ここで思考実験をしてみます。

突然ドラえもんが表れて、「『どうしても好きになれない』人をとつぜん大好きになれるスイッチ」を出してくれたとしたらどうでしょうか。

たぶん私はそのスイッチを押さないでしょう。

この思考実験は、バーンズ『人間関係の悩み さようなら』の冒頭で提示されていたものです。

人間関係の悩み さようなら-素晴らしい対人関係を築くために:Feeling GooD Together

人間関係の悩み さようなら-素晴らしい対人関係を築くために:Feeling GooD Together

これを読んだとき、私はどきっとしました。

実は私は「どうしても好きになれない」と思う人との関係を改善したいわけではないのです。

その人と接することによって味わっただけの、いや、それ以上のいやな気分を、相手にも味わわせてやりたいのです。

これは恥ずかしい考えです。

でもそう思うのです。

このような態度はまったく建設的ではありません。

他人のためというより、自分自身の辛い感情を軽減するために、なんとかこの捉え方を改善していかなければなりません。

ケース・スタディ

苦手な人を一人思い浮かべてみます。

その人は私のメールの誤字脱字、エクセルの罫線のひき方、ちょっとダルそうな態度をとったことなど、私からみれば瑣末と思えることがらをとりあげて、
「社会人として失格やで」
「優しいから言わないだけで、本当はみんなそう思ってる」
と、私を叱咤しました。

私はそのたびにいやな気分になりました。

一方で、その人が私のためを思って指導してくれていることもわかっており、「うるせーなこいつ」そんな風に思ってしまうことへの罪悪感も同時に抱え込みました。

バーンズ『いやな気分よ、さようなら』は他者から批判を受けた際の認知を、

  1. 憂うつ(SAD)
  2. 怒り(MAD)
  3. 喜び(GLAD)

に分類しています。

〈増補改訂 第2版〉いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法

〈増補改訂 第2版〉いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法

その人の指摘をすべて、全面的に受け入れてしまうと、自分は社会人として失格でみんなから嫌われている価値のない人間だ、ということになります。

しかし、そこには過度の一般化が見られます。

一つの誤りを拡大解釈してしまうことは認知療法でいう「認知の歪み」(「認知のゆがみ」の10パターンとは)の典型例です。

この思考パターンを突き詰めてしまうと会社にはいけなくなり、頭を抱えてうずくまる抑うつ状態に陥るリスクが高まります。

これが憂うつ(SAD)の道です。

反対に「そんなことをいってくるお前のほうが悪い」と考え、相手へ攻撃的な態度をとると、さらに人間関係が悪化します。

または怒りを内面に溜め込み続けて暮らすことになります。

怒りは生きる原動力にはなりえません。

この世界を僕の爆弾で燃やし尽くすよりも、
僕がこの世界から消えてしまえばいい。
結局は同じことだ、
なぜ気付かなかったんだろう(p.141)

新興宗教オモイデ教 (角川文庫)

新興宗教オモイデ教 (角川文庫)

メンタルヘルス面に問題を抱えた者の多くは、人を殺したいほどの激しい怒りに駆られた結果、自傷自死に及ぶのです。

これが怒り(MAD)の道です。

われわれは第三の道、喜び(GLAD)をいかねばなりません。

他者との対立を、自己評価につながる反応に買えねばなりません。

しかし、この道のなんと険しいことでしょうか。

正直、
「おれがメンヘラになったのはおれのせいじゃない。おれはむしろ被害者なのに、なんでおれがそんな努力をしなきゃいけないんだよ? え? おれを社会に適合させようとするな。社会のほうがおれに適合しろ」
と思います。

ですが、どうあがいても私の感情は私だけのものです。

実践編

怒りを直接ぶつけるのでなく、すべて抱え込むのでもない中道を行くコミュニケーションの原則は、

  1. 武装解除:一度相手の言うことを肯定する。
  2. アサーション:「私は〜と感じる」という表現で自分の気持ちを伝える。

の 2 点です。

これは自己啓発本などでも目にするような、特別めずらしくない主張のように見えます。

認知(行動)療法と呼べるほど、効果があるの? 効果のあるなしは実践にかかっています。

大切なのは記録することです。

飽きた

具体的に認知療法を実践するとどういうふうになるかやってみせようと思ったんだけど、ここまで書いて飽きた。

いま仕事してないし、いやな上司や先輩や同期のこと考えなくてもいいかなって気分になってきた。

バーンズの本について

『いやな気分よ、さようなら』より『人間関係の悩み さようなら』を先に読んだほうがいいと思う。

認知療法の勉強、実践しようとすると「えーなんでこんなめんどくさいことやらなきゃいけないのー?」って気分になる。『人間関係の悩み さようなら』はまさにその問いへの答えが書かれている。

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